2016年07月04日
【MD研修の旅2016】大村/ニュージーランド研修レポート
マツヤマデザイン研修の旅2016、
大村のニュージーランド研修レポートです。

2016年5月18~26日、
ニュージーランドへ行かせていただきました。
独特の雰囲気を醸す豊かな森
イエローストーンよりも繊細に感じた間欠泉
エネルギーあふれる、それらの自然が
人の暮らしの中に存在していることが驚きで、
また、とても素敵だなと感じました。
人のあたたかさ、治安の良さには感激!
これまでの海外での街歩きでは感じられなかった
安心感がありました。
そして、今回の旅では、初めての「海外運転」に挑戦しました。
この、とてつもない解放感。
やみつきになりそうです。
そして、初日から最後の日に至るまで、
さまざまなアクシデントがありました…
特に、最終日の、国内線のフライト遅延により
帰国予定の飛行機に間に合わなかったことは
悔しくて泣きそうでしたが、
今となってはいい経験です。
うれしいことも
怖いことも
悔しいことも
楽しいことも、いろいろ…
2016年5月、忘れられない旅ができました。
ありがとうございました。

数日前、ランチでカフェへ行って
薄味のスープを飲みながら本棚を眺めていたら
「ニュージーランド」の文字が目に入りました。
ニュージーランドを旅先と決めてから、
やたらと「ニュージーランド」の文字や言葉が
私の中に入ってくるようになりました。
旅をすると、そういう変化が生まれるなと思います。
心配事も増えそうですが、
(今はロンドンが気になります)
さまざまなものとの関わりを感じながら生きていけたら、
それはやはり、しあわせなことではないかと思っています。
カフェで見つけた
「ニュージーランド」の雑誌を読み、
青い空、草原、羊たちがうつった
一枚の写真が目に留まりました。
ニュージーランドらしく
すがすがしい写真を眺めて
「ああ、この写真は晴れていてきれいだな。
私が見た、曇り空の景色とは大違い」
などと思いました。
↑ 私が見た、羊と草原の景色。曇り空。
でも、曇り空でも、きれいな写真じゃなくても、
この景色こそが、
私にとって特別なものだなと思うのです。
ころころ変わる天気を不安に思いながら
車を走らせた時間。
道に迷ったおかげで出会えた羊たち。
車を停めると何匹かの羊がこちらを見てくれる。
目が合っている気がして、
それがうれしかったこと。
雑誌のような景色に出会うために、
きれいな写真を撮るために、
旅するわけじゃないもんな、と思うのです。
「旅ってなんだろうな」
宿に着いて、ひと段落したあと、
毎日のように考えていました。
「旅は遠くへ行くことだけではないはず」とは
前々から思っていました。
でもうまく言葉にできませんでした。
旅は、なにか、予め「これをゲットしたい」と思ってするものではありません。
「これが見たい」ということはある気がするけど
今回の旅を終えて、
「これが見たい」というのも、
案外期待外れになりそうだな
という気がしています。
目的なく出発しても、何かを得て帰ってくる。
新しいことを知ったり、
楽しい・嬉しい・悲しい・怖い…さまざまな思いを経験したり
自分の中に興味の対象が増えていたりする。
たぶん、そういうことなんだろうなと思います。
まだ知らない世界と出会うこと。
世界とは、外国のことではなくて
この世に存在する、あらゆる物事のこと。
自分自身が、世界と、出会うことだ。
ちゃんと、自分で感じること。
「僕らが旅に出る理由」
それは、
自分が出会った世界を通して
自分らしい生き方を
見出すためではないだろうか。
オリジナルの道。
自分のやるべきこと。
自分らしい人生。
≪旅には、旅にふさわしい年齢がある≫という言葉を思い出すと
油断せず旅をしなくては、という気持ちになります。
ところで、出会うべき「世界」は、
そこらじゅうに、
宝石のように散らばっているなと感じます。
わたしたちは、日常においても
たくさんのすてきな「世界」に囲まれて生きている。
どの世界が自分にとって出会うべきものなのか、
それはいくつあるのかは分からないけれど、
確実に散らばっていて、
あとは見つけられるかどうかだけ。
出会うべきものに出会えるように動けているか。
出会ったときに、それが宝物だと気付ける自分でいられるかどうか。

この旅は、与えられて、支えられて、実現できたものでした。
「2016年夏、それぞれが旅に出る」
そう決めたのは、松山さん。
「やった!うれしい」
と思いました。
でも、しばらく経つと、悔しくなりました。
私自身で、決めて、動けなかったことが。
でも、時間、お金、タイミング、旅の仕方、そのための仕事の仕方。
すべて、私ひとりでは、今回の旅は実現できなかった。
この事実が、今の私の実力なんだなと
思い知りました。
●やる、行く、と自分で決めること
●そのための時間を、自分で作り出すこと
・スケジュールを意識、段取り重視
・作業する時間はとにかく集中。無駄な時間を使わない。
(その分、考える時間や、+αの時間に使う)
●リアルな経験を積み重ねていくこと
この旅で感じることができた
自分の足りないところを、
これからの毎日に
つなげていきたいと思っています。

「旅するのが研修なの?」と
松山さんはよく聞かれるそうです。
私も聞かれたことがあります。
旅をするために必要な「時間の確保」。
それが、今の私にとって、とても難しい課題です。
今回もまた、会社を離れることでご迷惑をかけることがないように、と
段取りを考え、意識して動いてきたはずなのに、
どんどん余裕がなくなってしまい、
ついには「研修さえなければ、穏やかに暮らしているのに」と思ってしまうほどでした。
「仕事を続けながら、旅に出る」ということは、
ものすごくエネルギーのいることだなと思います。
強く意識して動かないと、簡単に、
楽な道(穏やかな日常)を選んでしまう。
マツヤマデザインの研修とは、
たくさん「旅」をしろよ、
「旅」をするための仕事の仕方を覚えろよ、
「旅」をたくさんした人はきっと良い仕事ができるよ、
そんな人生は素敵だよ、
それを学ぶために、実施してくれているものだと思っています。
ありがたいです。
味うすいな~などと
失礼なことを思いながら頂いていたスープは、
最後は魔法のようにおいしくなって
それもまた新しい世界との出会いでした。
知っていたんですよ。
「薄味だと、素材の味がよく分かる」って。
よく聞きますもんね。
でも、聞いて知っているのと
自分で感じたのでは大違い。
そういうことなんですよね。
たくさんの「世界」に囲まれて生きる日々、
すべてが旅。
人生そのものが旅。
限りある人生の旅をどう生きていけるか。
自分で考え感じながら生きる日々に、
油断せず向き合っていきたいです。
以上、オオムラの研修レポートでした。
=============
以下は、旅の日記です。
お時間のある方はおつきあいください。
=============
旅に出る3週間ほど前、
世界70カ国以上を旅された
辺境フォトジャーナリスト・残間正之さんの
トークショーへ行ってきました。
その頃、せっせと、旅の計画を立てていた私。
そんな話を伝えると、
「予約なんかしちゃだめだよ~
予測不能なことが起こるから旅は面白いんだ」と残間さんより。
正直、「え」と思い、
「できるだけ無計画でいこう」と心に決めるには
少し時間がかかりました。
しかし、結果的に、この無計画さがとてもよかったです。
(残間さん、ありがとうございました!)
今思うと、もっと自由な旅が出来たはずだけど
それは今だから思うこと。
次はもっと自由に旅してみたいです。
■1日目 【セントレア→オークランド空港→オークランド市内】



セントレアから出発し、香港を経由して
翌日昼過ぎにオークランド空港に到着。
日本との時差は+3時間。
レンタカー会社が空港から少し離れた場所にあったので、
国際線出口のほぼ正面にあるツーリストデスクから電話して、送迎バスを依頼。
オークランド空港から外へ出てみると、少し肌寒く感じました。
なにせここは南半球、季節は秋!
人生で初めて赤道を越えた日です。

旅したのは、ニュージーランド・北島、
期間は一週間です。

↑ こんな感じで移動しました。
オークランドから、
ロトルアやタウポ、トンガリロ国立公園を経由し
ウエリントンへ。
途中、何度か道に迷ったこともあり、
トータル約900㎞を移動する旅となりました。
移動手段は、自由に動き回りたかったので、
レンタカーを選択しました。
(日産 Tiida です。走りやすい!)
「ニュージーランドでの運転トレーニング・プログラム」で
事前の下調べはしっかりとしていきました。
(こちら、分かりやすいし、楽しいです!)
現地ではおおよそ問題なく運転できましたが、
ハイスピードが怖かった・・・。
カーブやアップダウンの多い道を
時速120㎞以上で駆け抜ける車たち。
ニュージーランドでは、
「時速指定のない道では時速100km以内で走る」
というルールがあるそうで、
それだけでも驚きなのに、
みなさんそれを超えてくるんですよね…。
↑ この道も、時速120㎞くらいで…
両手でハンドルを握って
精一杯アクセルを踏んで
かといってスピード出しすぎないように気を付けて。
一車線の道では、
わたしの車の後方は
すぐに数珠つなぎに。
常にトップを走っている状態でした。
初日、オークランド市内を散歩。
どこからでも、このタワーが見えて、
妙な安心感がありました。
タワーの存在意義などを考えさせられました。
どこへ行っても「風が強い」と感じました。
まるで、わがふるさと、浜松のようで
風はうっとうしいのだけど、何かうれしい。
オークランドの住宅地です。
坂だらけ。
家のデザインはさまざまなのに、
何か統一感を感じました。
統一感の理由は、建物高さと、素材でしょうか。
(いわゆる新建材はあまり使われていないように感じました)
それと、さまざまな樹木のおかげかな。
もくもくとペンキを塗っていたお兄さん。
こうやって「手をかける」こと、大事だな~と思います。
一日目の夜は、レストランで食事。
思った以上にボリュームがあり
苦しくなりましたが、
根性で食べきりました。
■2日目 【オークランド市内→デボンポート→ロトルア】
2日目朝、オークランド市内から
ハーバーブリッジを渡って北へ、
車で約20分。
デボンポートにある
「Mt. Victoria」からの眺めです。
ベンチに座って景色を鑑賞できます。
人はまばら。
本当に気持ちの良い天気で。
いい陽射しと、いい風を満喫しました。
この場所、素敵でした!
デボンポートから
約4時間ドライブしてロトルアへ。
この日の移動距離は約240㎞。
↑ ロトルア中心地にあるKuirau Park
Kuirau Parkには間欠泉があり、
このお湯を利用した足湯がありました。
大小の間欠泉が点在するロトルア。
この街では、地熱を温泉やヒーターとして利用しているそう。
↑ 宿泊したモーテルのヒーター。地熱利用。
人が住む街の中に、間欠泉が点在しているという驚き。
2日目からは節約モード。
こんな感じで自炊が続きます。
(一人分では材料が余ってしまい、同じパスタを何度食べたことか!)
現地のスーパーって楽しいですよね。
さまざまな食材やパッケージ、店舗デザインなど
日本との違いが面白く、
興味津々で眺めてきました。
店内が黒いと、商品が映えます。
でも、地元にある黒い店内のスーパーは暗く感じて、雰囲気も好きではありません。
照明?レイアウト?違いはなんだろう…
■3日目 【ロトルア→タウポ】
実は前日、
飛行機内で隣に座った方から教えてもらった場所へ向うも、
辿り着けず、森の深いところに入り込み、
通りすがりのおじさまに道を教えてもらいながらも、結局辿り着けず。
この日、気持ちを改めて、地図をしっかり見て、向かいました。
行きたかったところは、
「Whakarewarewa Forest」でした。
(前日は、全然違う方向へ行っていました…
ナビに頼りすぎたと反省)
<Whakarewarewa Forest>
レッドウッドフォレストの美しいウォーキングコース
雨上がり、晴れ間が見えたひととき。
道の端に停めて、いくつかの入り口から
自由に森へ入ることができます。
犬の散歩や、
ウォーキング、ランニング、サイクリング。
みんな、それぞれの楽しみ方。
背の高い木が多いです。
Whakarewarewa Forestの案内所。
こちらでウォーキングルートが書かれたマップをもらいました。
30分〜8時間までの6つのコースがあり、
それぞれのコースが色別に案内されています。
私が歩いた1時間のコースは、ほぼアップダウンが無く、
とても気軽に、気持ちのいいウォーキングができました。
大きな木の間を抜けて、進みます。
ふんわりと硫黄のにおい。
鉄の格子の床で、滑りにくくなっています。
ふかふかの土に感激!
なんて素敵なんだろう。
有料ですが、木の高いところを歩くコースもありました。
(ニュージーランドの自然での遊び方…クリエイティブ!)
でも、私は土の上を歩く方が好きだなあ・・
このWhakarewarewa Forestは、
ロトルア中心地から、車で10分ほどの場所にあります。
巨大なレッドウッドが立ち並ぶトレイルはとても幻想的で、
また訪れたい場所のひとつです。
<フカ滝/タウポ>
Waikato River Walkという道を約15分歩いて、
フカ滝へ。
※フカ滝近くまで車で行くこともできます。
きれいなエメラルドグリーンの水が
大量に、勢いよく、流れていきます。
その水の流れるすぐ上にかけられた橋。
遠くから眺めると怖い…
<クレーター・オブ・ザ・ムーン/タウポ>

1950年代、タウポ北部で地面の温度が上昇し、
噴気孔が現れたそうです。

板張りの遊歩道を歩きます。
映画に出てきそう?な不思議な雰囲気。



晴れていれば、こんな景色が見られる…ってことですよね。
それにしても、ここを歩いた約1時間、
私は誰にも会いませんでした。
「ニュージーランドって人少ない」ということを
いろいろな場所で実感します。
そして、このクレーター・オブ・ザ・ムーンも、フカ滝も、
市内から車で10~15分ほど。
こんな場所が、人の暮らしの、とても身近にあります。
■4日目 【タウポ→トンガリロ国立公園→オタキ】

晴れた朝のタウポ湖。
のんびりとした時間が流れます。



初めて見たブラックスワンに感激!

車でボートを引き上げていました。
現地で見つけた観光ガイドのリーフレットにも、
さまざまな自然の中での楽しみ方が提案されていました。
<トンガリロ国立公園へ>

タウポ湖から車で約1.5時間のところにある、トンガリロ国立公園へ。
この公園は、自然と文化の世界複合遺産に登録されています。
ダイナミックな景色をぜひ見たかったのですが、あいにくの雨…。

ビジターセンターの建物正面には、
マオリの彫り物が飾られています。
トンガリロ国立公園のある場所は、
マオリの人々にとって重要な意味を持つ場所だったそうです。

公園内にあるTawhai Falls Walkへ。
15分ほどで滝を見て戻ってこれるウォーキングコースです。

コースへの入口は、
道の脇に、ひっそりと存在しています。



このコースには、さまざまな種類のキノコが生息しておりました。
人生で、一度にこんなたくさんのキノコを見たのは初めて!
やや興奮しながら観察してきました。
■5日目 【オタキ→ウエリントン】



5日目は、友人が暮らすウエリントンへ。

ウエリントン港を望む、すてきなバルコニー!
彼女の家に泊めてもらい、
「この国での普通の暮らし」を体験させてもらいました。


彼女の家に向かうには、急勾配の階段を降りる必要が。
エレベーター?がありますが、ときどき動かなくなるらしい。
動き出す瞬間の、大きな揺れに驚きますが、
アトラクションみたいで楽しかったです。笑

友人に紹介してもらって、
おしゃれなショップやカフェ、
一人では入りにくい素敵なレストランへ。








「ウエリントンはおいしいカフェがあることで有名」とのこと。
各店で、お料理の盛り付けが斬新&素敵でした。
またゆっくり訪れたいです。
Mちゃん、ありがとう!
■6日目 【ウエリントン→ウエリントン空港→オークランド空港】

そして最終日。
まさかのフライト遅延、そして空港泊。
(油断してはいけないと仮眠程度に。
精神的ショックと寒さで、ぐったりでした・・)
新たな飛行機のチケットを購入する必要があり、
余分な出費をしてしまいました。
そして、一日のロス。
アンラッキーと、自分の甘さが招いた事態、
本当に悔しかったです。
こんなことが旅の醍醐味、と思うことにして、
なんとか気持ちを落ち着かせました。
いい勉強と、いい思い出になりました。
以上、無事戻ってまいりました。
お世話になっている皆さま、いつもありがとうございます。
長くなってしまって、すみません。
お読みいただき、ありがとうございました!
(レッドウッドフォレストのカフェにて、店員さんと)
大村のニュージーランド研修レポートです。
2016年5月18~26日、
ニュージーランドへ行かせていただきました。
独特の雰囲気を醸す豊かな森
イエローストーンよりも繊細に感じた間欠泉
エネルギーあふれる、それらの自然が
人の暮らしの中に存在していることが驚きで、
また、とても素敵だなと感じました。
人のあたたかさ、治安の良さには感激!
これまでの海外での街歩きでは感じられなかった
安心感がありました。
そして、今回の旅では、初めての「海外運転」に挑戦しました。
この、とてつもない解放感。
やみつきになりそうです。
そして、初日から最後の日に至るまで、
さまざまなアクシデントがありました…
特に、最終日の、国内線のフライト遅延により
帰国予定の飛行機に間に合わなかったことは
悔しくて泣きそうでしたが、
今となってはいい経験です。
うれしいことも
怖いことも
悔しいことも
楽しいことも、いろいろ…
2016年5月、忘れられない旅ができました。
ありがとうございました。
数日前、ランチでカフェへ行って
薄味のスープを飲みながら本棚を眺めていたら
「ニュージーランド」の文字が目に入りました。
ニュージーランドを旅先と決めてから、
やたらと「ニュージーランド」の文字や言葉が
私の中に入ってくるようになりました。
旅をすると、そういう変化が生まれるなと思います。
心配事も増えそうですが、
(今はロンドンが気になります)
さまざまなものとの関わりを感じながら生きていけたら、
それはやはり、しあわせなことではないかと思っています。
カフェで見つけた
「ニュージーランド」の雑誌を読み、
青い空、草原、羊たちがうつった
一枚の写真が目に留まりました。
ニュージーランドらしく
すがすがしい写真を眺めて
「ああ、この写真は晴れていてきれいだな。
私が見た、曇り空の景色とは大違い」
などと思いました。
↑ 私が見た、羊と草原の景色。曇り空。
でも、曇り空でも、きれいな写真じゃなくても、
この景色こそが、
私にとって特別なものだなと思うのです。
ころころ変わる天気を不安に思いながら
車を走らせた時間。
道に迷ったおかげで出会えた羊たち。
車を停めると何匹かの羊がこちらを見てくれる。
目が合っている気がして、
それがうれしかったこと。
雑誌のような景色に出会うために、
きれいな写真を撮るために、
旅するわけじゃないもんな、と思うのです。
「旅ってなんだろうな」
宿に着いて、ひと段落したあと、
毎日のように考えていました。
「旅は遠くへ行くことだけではないはず」とは
前々から思っていました。
でもうまく言葉にできませんでした。
旅は、なにか、予め「これをゲットしたい」と思ってするものではありません。
「これが見たい」ということはある気がするけど
今回の旅を終えて、
「これが見たい」というのも、
案外期待外れになりそうだな
という気がしています。
目的なく出発しても、何かを得て帰ってくる。
新しいことを知ったり、
楽しい・嬉しい・悲しい・怖い…さまざまな思いを経験したり
自分の中に興味の対象が増えていたりする。
たぶん、そういうことなんだろうなと思います。
まだ知らない世界と出会うこと。
世界とは、外国のことではなくて
この世に存在する、あらゆる物事のこと。
自分自身が、世界と、出会うことだ。
ちゃんと、自分で感じること。
「僕らが旅に出る理由」
それは、
自分が出会った世界を通して
自分らしい生き方を
見出すためではないだろうか。
オリジナルの道。
自分のやるべきこと。
自分らしい人生。
≪旅には、旅にふさわしい年齢がある≫という言葉を思い出すと
油断せず旅をしなくては、という気持ちになります。
ところで、出会うべき「世界」は、
そこらじゅうに、
宝石のように散らばっているなと感じます。
わたしたちは、日常においても
たくさんのすてきな「世界」に囲まれて生きている。
どの世界が自分にとって出会うべきものなのか、
それはいくつあるのかは分からないけれど、
確実に散らばっていて、
あとは見つけられるかどうかだけ。
出会うべきものに出会えるように動けているか。
出会ったときに、それが宝物だと気付ける自分でいられるかどうか。
この旅は、与えられて、支えられて、実現できたものでした。
「2016年夏、それぞれが旅に出る」
そう決めたのは、松山さん。
「やった!うれしい」
と思いました。
でも、しばらく経つと、悔しくなりました。
私自身で、決めて、動けなかったことが。
でも、時間、お金、タイミング、旅の仕方、そのための仕事の仕方。
すべて、私ひとりでは、今回の旅は実現できなかった。
この事実が、今の私の実力なんだなと
思い知りました。
●やる、行く、と自分で決めること
●そのための時間を、自分で作り出すこと
・スケジュールを意識、段取り重視
・作業する時間はとにかく集中。無駄な時間を使わない。
(その分、考える時間や、+αの時間に使う)
●リアルな経験を積み重ねていくこと
この旅で感じることができた
自分の足りないところを、
これからの毎日に
つなげていきたいと思っています。
「旅するのが研修なの?」と
松山さんはよく聞かれるそうです。
私も聞かれたことがあります。
旅をするために必要な「時間の確保」。
それが、今の私にとって、とても難しい課題です。
今回もまた、会社を離れることでご迷惑をかけることがないように、と
段取りを考え、意識して動いてきたはずなのに、
どんどん余裕がなくなってしまい、
ついには「研修さえなければ、穏やかに暮らしているのに」と思ってしまうほどでした。
「仕事を続けながら、旅に出る」ということは、
ものすごくエネルギーのいることだなと思います。
強く意識して動かないと、簡単に、
楽な道(穏やかな日常)を選んでしまう。
マツヤマデザインの研修とは、
たくさん「旅」をしろよ、
「旅」をするための仕事の仕方を覚えろよ、
「旅」をたくさんした人はきっと良い仕事ができるよ、
そんな人生は素敵だよ、
それを学ぶために、実施してくれているものだと思っています。
ありがたいです。
味うすいな~などと
失礼なことを思いながら頂いていたスープは、
最後は魔法のようにおいしくなって
それもまた新しい世界との出会いでした。
知っていたんですよ。
「薄味だと、素材の味がよく分かる」って。
よく聞きますもんね。
でも、聞いて知っているのと
自分で感じたのでは大違い。
そういうことなんですよね。
たくさんの「世界」に囲まれて生きる日々、
すべてが旅。
人生そのものが旅。
限りある人生の旅をどう生きていけるか。
自分で考え感じながら生きる日々に、
油断せず向き合っていきたいです。
以上、オオムラの研修レポートでした。
=============
以下は、旅の日記です。
お時間のある方はおつきあいください。
=============

旅に出る3週間ほど前、
世界70カ国以上を旅された
辺境フォトジャーナリスト・残間正之さんの
トークショーへ行ってきました。
その頃、せっせと、旅の計画を立てていた私。
そんな話を伝えると、
「予約なんかしちゃだめだよ~
予測不能なことが起こるから旅は面白いんだ」と残間さんより。
正直、「え」と思い、
「できるだけ無計画でいこう」と心に決めるには
少し時間がかかりました。
しかし、結果的に、この無計画さがとてもよかったです。
(残間さん、ありがとうございました!)
今思うと、もっと自由な旅が出来たはずだけど
それは今だから思うこと。
次はもっと自由に旅してみたいです。
■1日目 【セントレア→オークランド空港→オークランド市内】
セントレアから出発し、香港を経由して
翌日昼過ぎにオークランド空港に到着。
日本との時差は+3時間。
レンタカー会社が空港から少し離れた場所にあったので、
国際線出口のほぼ正面にあるツーリストデスクから電話して、送迎バスを依頼。
オークランド空港から外へ出てみると、少し肌寒く感じました。
なにせここは南半球、季節は秋!
人生で初めて赤道を越えた日です。
旅したのは、ニュージーランド・北島、
期間は一週間です。

↑ こんな感じで移動しました。
オークランドから、
ロトルアやタウポ、トンガリロ国立公園を経由し
ウエリントンへ。
途中、何度か道に迷ったこともあり、
トータル約900㎞を移動する旅となりました。
移動手段は、自由に動き回りたかったので、
レンタカーを選択しました。
(日産 Tiida です。走りやすい!)
「ニュージーランドでの運転トレーニング・プログラム」で
事前の下調べはしっかりとしていきました。
(こちら、分かりやすいし、楽しいです!)
現地ではおおよそ問題なく運転できましたが、
ハイスピードが怖かった・・・。
カーブやアップダウンの多い道を
時速120㎞以上で駆け抜ける車たち。
ニュージーランドでは、
「時速指定のない道では時速100km以内で走る」
というルールがあるそうで、
それだけでも驚きなのに、
みなさんそれを超えてくるんですよね…。
↑ この道も、時速120㎞くらいで…
両手でハンドルを握って
精一杯アクセルを踏んで
かといってスピード出しすぎないように気を付けて。
一車線の道では、
わたしの車の後方は
すぐに数珠つなぎに。
常にトップを走っている状態でした。
初日、オークランド市内を散歩。
どこからでも、このタワーが見えて、
妙な安心感がありました。
タワーの存在意義などを考えさせられました。
どこへ行っても「風が強い」と感じました。
まるで、わがふるさと、浜松のようで
風はうっとうしいのだけど、何かうれしい。
オークランドの住宅地です。
坂だらけ。
家のデザインはさまざまなのに、
何か統一感を感じました。
統一感の理由は、建物高さと、素材でしょうか。
(いわゆる新建材はあまり使われていないように感じました)
それと、さまざまな樹木のおかげかな。
もくもくとペンキを塗っていたお兄さん。
こうやって「手をかける」こと、大事だな~と思います。
一日目の夜は、レストランで食事。
思った以上にボリュームがあり
苦しくなりましたが、
根性で食べきりました。
■2日目 【オークランド市内→デボンポート→ロトルア】
2日目朝、オークランド市内から
ハーバーブリッジを渡って北へ、
車で約20分。
デボンポートにある
「Mt. Victoria」からの眺めです。
ベンチに座って景色を鑑賞できます。
人はまばら。
本当に気持ちの良い天気で。
いい陽射しと、いい風を満喫しました。
この場所、素敵でした!
デボンポートから
約4時間ドライブしてロトルアへ。
この日の移動距離は約240㎞。

↑ ロトルア中心地にあるKuirau Park
Kuirau Parkには間欠泉があり、
このお湯を利用した足湯がありました。
大小の間欠泉が点在するロトルア。
この街では、地熱を温泉やヒーターとして利用しているそう。
↑ 宿泊したモーテルのヒーター。地熱利用。
人が住む街の中に、間欠泉が点在しているという驚き。
2日目からは節約モード。
こんな感じで自炊が続きます。
(一人分では材料が余ってしまい、同じパスタを何度食べたことか!)




現地のスーパーって楽しいですよね。
さまざまな食材やパッケージ、店舗デザインなど
日本との違いが面白く、
興味津々で眺めてきました。
店内が黒いと、商品が映えます。
でも、地元にある黒い店内のスーパーは暗く感じて、雰囲気も好きではありません。
照明?レイアウト?違いはなんだろう…
■3日目 【ロトルア→タウポ】
実は前日、
飛行機内で隣に座った方から教えてもらった場所へ向うも、
辿り着けず、森の深いところに入り込み、
通りすがりのおじさまに道を教えてもらいながらも、結局辿り着けず。
この日、気持ちを改めて、地図をしっかり見て、向かいました。
行きたかったところは、
「Whakarewarewa Forest」でした。
(前日は、全然違う方向へ行っていました…
ナビに頼りすぎたと反省)
<Whakarewarewa Forest>
レッドウッドフォレストの美しいウォーキングコース
雨上がり、晴れ間が見えたひととき。
道の端に停めて、いくつかの入り口から
自由に森へ入ることができます。
犬の散歩や、
ウォーキング、ランニング、サイクリング。
みんな、それぞれの楽しみ方。
背の高い木が多いです。
Whakarewarewa Forestの案内所。
こちらでウォーキングルートが書かれたマップをもらいました。
30分〜8時間までの6つのコースがあり、
それぞれのコースが色別に案内されています。
私が歩いた1時間のコースは、ほぼアップダウンが無く、
とても気軽に、気持ちのいいウォーキングができました。
大きな木の間を抜けて、進みます。
ふんわりと硫黄のにおい。
鉄の格子の床で、滑りにくくなっています。
ふかふかの土に感激!
なんて素敵なんだろう。
有料ですが、木の高いところを歩くコースもありました。
(ニュージーランドの自然での遊び方…クリエイティブ!)
でも、私は土の上を歩く方が好きだなあ・・
このWhakarewarewa Forestは、
ロトルア中心地から、車で10分ほどの場所にあります。
巨大なレッドウッドが立ち並ぶトレイルはとても幻想的で、
また訪れたい場所のひとつです。
<フカ滝/タウポ>
Waikato River Walkという道を約15分歩いて、
フカ滝へ。
※フカ滝近くまで車で行くこともできます。
きれいなエメラルドグリーンの水が
大量に、勢いよく、流れていきます。
その水の流れるすぐ上にかけられた橋。
遠くから眺めると怖い…
<クレーター・オブ・ザ・ムーン/タウポ>
1950年代、タウポ北部で地面の温度が上昇し、
噴気孔が現れたそうです。
板張りの遊歩道を歩きます。
映画に出てきそう?な不思議な雰囲気。
晴れていれば、こんな景色が見られる…ってことですよね。
それにしても、ここを歩いた約1時間、
私は誰にも会いませんでした。
「ニュージーランドって人少ない」ということを
いろいろな場所で実感します。
そして、このクレーター・オブ・ザ・ムーンも、フカ滝も、
市内から車で10~15分ほど。
こんな場所が、人の暮らしの、とても身近にあります。
■4日目 【タウポ→トンガリロ国立公園→オタキ】
晴れた朝のタウポ湖。
のんびりとした時間が流れます。
初めて見たブラックスワンに感激!
車でボートを引き上げていました。
現地で見つけた観光ガイドのリーフレットにも、
さまざまな自然の中での楽しみ方が提案されていました。
<トンガリロ国立公園へ>
タウポ湖から車で約1.5時間のところにある、トンガリロ国立公園へ。
この公園は、自然と文化の世界複合遺産に登録されています。
ダイナミックな景色をぜひ見たかったのですが、あいにくの雨…。
ビジターセンターの建物正面には、
マオリの彫り物が飾られています。
トンガリロ国立公園のある場所は、
マオリの人々にとって重要な意味を持つ場所だったそうです。
公園内にあるTawhai Falls Walkへ。
15分ほどで滝を見て戻ってこれるウォーキングコースです。
コースへの入口は、
道の脇に、ひっそりと存在しています。
このコースには、さまざまな種類のキノコが生息しておりました。
人生で、一度にこんなたくさんのキノコを見たのは初めて!
やや興奮しながら観察してきました。
■5日目 【オタキ→ウエリントン】
5日目は、友人が暮らすウエリントンへ。
ウエリントン港を望む、すてきなバルコニー!
彼女の家に泊めてもらい、
「この国での普通の暮らし」を体験させてもらいました。
彼女の家に向かうには、急勾配の階段を降りる必要が。
エレベーター?がありますが、ときどき動かなくなるらしい。
動き出す瞬間の、大きな揺れに驚きますが、
アトラクションみたいで楽しかったです。笑
友人に紹介してもらって、
おしゃれなショップやカフェ、
一人では入りにくい素敵なレストランへ。
「ウエリントンはおいしいカフェがあることで有名」とのこと。
各店で、お料理の盛り付けが斬新&素敵でした。
またゆっくり訪れたいです。
Mちゃん、ありがとう!
■6日目 【ウエリントン→ウエリントン空港→オークランド空港】
そして最終日。
まさかのフライト遅延、そして空港泊。
(油断してはいけないと仮眠程度に。
精神的ショックと寒さで、ぐったりでした・・)
新たな飛行機のチケットを購入する必要があり、
余分な出費をしてしまいました。
そして、一日のロス。
アンラッキーと、自分の甘さが招いた事態、
本当に悔しかったです。
こんなことが旅の醍醐味、と思うことにして、
なんとか気持ちを落ち着かせました。
いい勉強と、いい思い出になりました。
以上、無事戻ってまいりました。
お世話になっている皆さま、いつもありがとうございます。
長くなってしまって、すみません。
お読みいただき、ありがとうございました!

(レッドウッドフォレストのカフェにて、店員さんと)
Posted by マツヤマ at 10:42│Comments(0)
│2016.05-06 MD研修の旅
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