
2015年04月27日
八丈島研修レポート マツヤマデザイン デザイナーの「研修」について
八丈島に旅して来ました。僕は一年ぶり、二度目の八丈島。

昨年ゼキさんと二人、行った時は青空と青い海。素晴らしい景色が迎えてくれました。
その体験をコトあるごとに旅仲間に話し、「それほどイイってアナタが言うなら行こうじゃないの?」と誘惑し、面白そうなメンバーを集めました。
旅の相棒ゼキさん、この人はどんな所でも寝れるし、どんなモノでも食べて、何処に行こうが明るくて、ドコに行こうとイイ写真を撮ってくれて、ドコに行こうと美味しいコーヒーを入れてくれるすごい人です。そして基本ノープランな人だから、「ドコソコ行かない?」と聞くと「ほぉ?いいよ、で、そこドコ?何県だっけ?」と行き先を聞かずにOKするスゴイ人です。
今回の旅で初めて一緒した、松浦カレーさん、彼女は小柄なお嬢さんですが、版画家であり、芸術家という感性だけで生きるという荒行を自分に課している、カレーとビールをこよなく愛す方です。彼女は今年の新年会のムラマツシンさん(世界のアチコチで逆立ちをする東大教授でありアウトドアの学校の受講生)の紹介で会いました。変わった方は変わった方を引き合わせますw。伸さんありがとうございます。
タカエさん、株式会社マツヤマデザインのホームページ&このブログを読み、今まで勤めていた会社を辞めて、モノズキの集まりであるマツヤマデザインに入社を激しく希望したデザイナー、10年近いキャリアを持つデザイナーだけど、WEBは今まで経験無いのによく飛び込んだと思う勇気ある小さな女性。素直で元気。だけど、こーゆー旅や、考え方、デザイナーやフリーランサーという、会社に守られていない立ち位置での「芸人」的な感覚はまだ未経験。ついでにアウトドア、テントで寝るのも未経験。寝袋の入り方から知らないという猛者。今回は彼女がマツヤマデザインに入社初の「研修」となります。
八丈島で合流する東京チームは
ハラさん(左 赤帽子)、リビングレジェンド、QFRONT・東急ハンズを作った男ことライフスタイルプロデューサー浜野安宏御大のご縁でめぐり会い、いつの間にか意気投合した、僕の知る中で最も肩コリの三大要素を強く持つフィジカルを持ち、
僕の知る中で最も「美味しんぼ」の海原雄山に似た髪形を持つ、坂道を苦手とする大男。アメリカへのフライフィッシング旅を宗教的理由と言い放ち、この国にしばしのオサラバし、海外でのフライとビールとモヒートとウォシュレットをこよなく愛し、北海道に住む巨匠、釣り竿一本を相棒に世界を旅した残間師匠にあまりのテクニックに「北海道のいたいけな魚をテクニックで苛めるなよ」と苦言を言わしめた釣り師(今回飛行機が飛ばず、建築・設計士の仕事の都合より「バンドの練習が…」と動揺した程のロックな男でもある)。ドコに旅をしても、遺体でも運ぶのか…というほどの誰より大きなバック(通称 ボブスレー)に膨大な荷物を積み込み旅に出るオールラウンダーな旅人です。
ユウコさん、ハラさんの妻であり、同じ巨人族に属している。この夫婦が来るだけで二人のビックショーが開幕するといわれているほど。フライフィッシングと射撃を趣味として、大きな声での賞賛を交えたリアクションで歴戦の紳士と滑らかなコミュニケーションを取る豪椀を持つ女性。語学にも堪能で、狭い日本だけでなく世界という感覚を持ちつつ、高級なお店から、紳士の社交場である射撃場や、品川駅裏の入るのに躊躇われるほどのコ汚い居酒屋でも臆すことなく「アンタ!そりゃスゴイじゃない?」と、片眉を上げつつ、素晴らしい話術と存在感で周りの人を幸せにする華やかなオーラを持つ気持ちイイ麗人です。
アマガイさん、昨年行った八丈島で知り合った旅人、八丈富士を登るべく一人、大切な日に旅に出た心優しき人。都内で介護の仕事をしており、世界各地に興味が湧いたところに、えいやぁと旅に出ちゃう自由な人。アウトドアもこよなく愛し、以前行ったアウトドアの学校の番外編にもわざわざ静岡県まで来てトレッキングを一緒にして、飲み明かしたゼキさんと僕の友人。今回行く予定は全く無かったけれど、FBでこの旅を聞き、ウズウズして行きたくなっちゃったからと、緊急に飛行機チケットを確保して思い立ったらスグ旅に出ちゃうナイスガール。
という豪華かつ、とりとめもない7人で旅をして来ました。
(写真 あそこ寿司の心優しき大将とエレーナ ありがとうございました、本当に美味しかったです。)
今回の旅、僕にとっても、新入社員(試用期間)のタカエさんにとっても、これは「研修」です。
マツヤマデザインは、この「研修」という言葉をよく使い、旅をします。
たまに、たくさん観光できていいですねぇ、なんて言われたりしますが、会社の中で「旅」と「旅行」、「観光旅行」は大きく違います。
大きな違いは、目的が「慰安」でなく「研修」ということです。
言葉の使い分けですが、僕はこう思っています。
僕がしているのは、「旅行」じゃなくて「旅」だ…と。
ガイドさんがついたり、ツアーパックに決められていたり、るるぶに載っている場所を巡り、ガイドブックに載っている「名物」を食べる。
それは旅行です。(それらを見る・食べることを含まれ、ある程度保障された安心感をツアー代金や入場料などの代金で購入しています)
僕らがしているのはそうじゃない、どこに行くかは決めていない、何を見るか?何を食べるか?誰と話すか?どこで寝るか?さえ未定のまま「旅」に出ます。計画変更は当たり前、宿泊もテントもママある話だし、現に今年の6月に計画している「研修」などは、北海道一周をテントで周り、ドコにテントを張るかも未定のまま旅に出ます。
つまり、すっごく面白くなるかもしれないし、泣くほどツライ目に逢うかも知れない。でも、すごく面白かったり、快適だったり、美味しい食べ物に出会えるかどうか?は参加する人間の努力やスキル・経験で大いに左右されます。(キャンプだと寝る所や食べるものも自分で用意しなきゃいけない、不安な分、やりがいもあるし、確定していないリスクもあるから代金は移動費など最低限の費用しかかかりません)
普通の会社で年末に行う「慰労」を目的とした忘年会などの「旅行」とは、目的や方法が大いに違います。
片方は、日ごろの疲れを癒す為に、その為にお金を払い(自分は何かするのでなく=対価を払って)楽しむことでは無いでしょうか?。
日ごろ大変なお仕事をしているのだから、たまには骨休めでゆっくり楽しみましょう!というやつですね。
「研修の旅」は、その逆です、かなり疲れます(笑)。だって、自分でなんとか「動き」「働きかけ」「楽しもうと」としなければ、
楽しいどころかツライだけ、慰労だろうと旅だろうと、電車賃や飛行機代金等の移動費用は一緒だから、わざわざお金を払ってツライ思いをするだけです。
テントも背負わなきゃいけないし、ゴハンも作らなきゃいけなかったり、雨に降られるし
言い換えれば、ステージで芸をする「芸人」さん(考え・動き、お金を稼ぐ立場)と、入場料を払って座席に座っている「観客」(支払いは済んだから、さぁ!楽しませてくれよ)の立場の違いといえば分かりやすいでしょうか?
この文章の三行目、「面白そうなメンバーを集めました。」と書いたのは訳があります。
タカエさんを除く6人は、この「旅」をすることと「旅行」との違いを楽しみ、人生を楽しむ術を持って生きている方達。
たぶん、タカエさんは初めての筈です。
僕はデザインをする上で、よく「そもそも論」を考えます。そもそもこの会社は何のためにコレをしているの?そもそもこのホームページは何故作るんだっけ?
そんな、単純な事を突きつけて考えることって、けっこう実は面倒だったりします。
でも、その「そもそも」に結論、「なになにであるべきだ!(だろう)」という仮設(仮設です、あえて「設」と使っています)をし、その上でソコに対してアプローチをしていく手法を僕は師匠である塩田先生に教わりました。
その場所に行かなければならない理由
わざわざ重いザックにテントを詰めて旅に出る理由
その場所に行くメンバーの意義
モノではなく、コトに価値を見出すコト。
お金を稼ぐコト、お金を使うコト
食べるコトは生きるコト
見に行く傍観者・観客でなく、
何かコトをやりに行く、プレイヤー、目的を持った人だから、見ることが出来るコト。会うことができる人、聞ける話、学んだり感じるコトができるチャンス。見ることが出来る笑顔。大切な時。
新入社員のタカエさんに、「知識」として知ってもらうのではなく、身体で感じて、肌身に実感してもらう為には、口で100回言うより、一回旅をしてもらう方が早い。
僕はそう思いました。
僕はこう思います、
仕事を教えることは、お金を得る方法を教えること。
でも、それと同時に、「どうお金を使えばいいか?」も一緒に覚えなければ意味は無い。
仕事を覚えることは、お金を使う方法を覚えること。
ちょうど赤ちゃんにお母さんが、ゴハンの食べ方と、トイレを教えるように。
入口と出口をちゃんとしなければ絶対いい仕事は出来ないと僕は思います。
「旅」をするのに、お金はそれほど問題ではありません。それより「時間」と「意識」が大きな課題です。
スナフキンは「旅行」や「慰労」ではないから、あんなにカッコいいんだと僕は思うのです。
誰もが同じように食べているものや、美味しくなくて、身体にあまり良くないゴハンを食べる生活をしている人が…
みんなと同じものを見て、同じような体験をしている人が…
みんながビックリするようなデザインが出来るわけが無い。
入れるものがソレナリなら、出てくるモノもソレナリだよ。
観客席に座ってばかりいる人が、イキナリ舞台に上がっても人を感動させる芸なんて出来るわけが無い。
テレビや雑誌を見ているばかりじゃ感性なんて、ソレナリの感性しか得ることが出来なくて当然だと思いませんか?
僕はそう思います。
仮に出来たとしても、10年、20年、現役でやっている間に枯れ果ててしまうと思います。
素敵なデザインを作る為に必要なコト。
素敵なデザインをしてお金を稼ぐ。
稼いだお金で、また素敵なデザインする為の体験をする。
この無限に向上していくループ、プラスのスパイラルを作れるかどうか?
そのスパイラルを描く作法。
考え方の構築と立ち振る舞い。
学びを乞う礼儀。
与えてくれた自然や人、環境への感謝。
それは、健全でデザインされた「ライフスタイル」を手にするかどうかです?
僕はマツヤマデザインで働くデザイナーに対してそれが最重要課題だと思っています。
その「ライフスタイル」は、成功への切符であり、「じんせい」を楽しむ切符です。
僕はまだ、その切符を手にしてはいません。手に入れようとすればするほど遠く感じるほど難しいモノなのかもしれない。
でも、それをいつか手にしたいと願う。
僕はそう願っています。強く。
願うこと、祈るだけでなく行動するコト。
その考えや願いに共感してくれる人と一緒に働ける。
一緒に旅が出来る。
それは本当に幸せなことです。
Posted by マツヤマ at 23:48│Comments(0)
│2015.04. 八丈島 キャンプ MD研修
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