2015年06月24日
北海道 研修レポート (オオムラ)2015.06



研修として北海道へ行かせていただきました。
千歳空港から旭川→日本海沿いに北上して稚内へ→
中頓別でキャンプ→網走→知床半島→釧路という、
北海道の右半分を巡る、約1,300kmにわたる旅です。
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これまで、
2013年に初めての北海道、
2014年には、青森、イエローストーン、鹿児島と、
マツヤマデザインの研修として
たくさんの「旅」をさせてもらいました。
そして今回、二度目の北海道となります。


2013年に訪れた北海道では、「北海道の豊かな自然」と「自分が暮らす地域の自然」との違いを知りました。
自然渓流で、初めて魚を釣ることが出来た喜びは忘れられません。
素敵な先輩方たちとの出会い・頂いた素敵な言葉たちが有難く、
それらをきちんと理解できる自分になりたいと思ったことを覚えています。
そして、日本・地球の歴史や、自然、魚のこと、
さまざまな対象への興味が生まれました。
それらは、その後、私が手に取る本や、
会う人、行く場所を変えました。


2014年の青森では
「スローライフ・フォーラム in 青森」に参加させてもらいました。
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所有欲求が満たされると人は豊かさを感じ、
存在欲求が満たされると人は幸福を感じる。
「豊かさ」よりも、「幸福感」を目指していこう。
それは、有形ではなく、無形のもの(体験や人とのつながり)から得ることができる。
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この教えに出会えたことは、私にとって、
とてもうれしい出来事でした。
それから、私の中に存在し続けて、
私の価値観・思考を変えてくれた大切な教えです。
また、スローライフの考え方(“緩急自在”こそが本当のスローライフ)を学び、何事にも両面があり、バランスが大事なのだと考えるようになりました。


イエローストーンでは、力強く美しい、地球や宇宙すら感じさせる大自然を目の当たりにして、自然には2種類がある(圧倒的な力を持つ大自然/人の身近にある自然)と知り、今私が暮らしている土地が、いかにその他の生き物に負担をかけながら成り立っているのだということを想像できるようになりました。
こんな気付きを与えてもらって、私にできることは、
やはりまずは自分自身の行動を変えること。
その思いを強くしました。

鹿児島では、人から与えてもらったことを、その人だけでなく、次の世代へ受け継いでいくこと、それも恩返しになるのだと学びました。
その頃、教えていただいてばかりで、その教えによって私は自分の生き方や暮らし方に反映するばかりで、そのことに疑問を感じていました。私に何ができるか、ということを模索している中、恩返しの道が見え始めた気がしました。
まずは全力で吸収すること、楽しむこと、学びつづけること。
そして、その時間を、自分だけではなく誰かと共有していこう!、そう思いました。

今回の北海道では、まずは、こうして研修に行かせてもらえること、
それを実行するための手段や作法を教えてもらい、
その機会を、かなりの高頻度で与え続けてくれるマツヤマさんと、
そこに協力して応援してくださる全ての人たちに、
感謝の気持ちでいっぱいになりました。
素敵な人たちに囲まれて仕事ができていること、本当に幸せですね。
過去の研修(旅)を振り返ると、毎回、新しい気付きがあり、
それらは全て、今の私を形成する要素となっていることを、改めて感じています。


そして、今回もまた、たくさんの「人とのつながり」があり、
私たちだけでは実現できなかっただろう素晴らしい旅をすることができました。
コンセプトの佐藤さんがつなげてくれたご縁。
国分さん。
残間さん。
小松さん。
湊屋さん。
現地でお会いできる方がいるという喜び。
人とのつながりのあたたかさ、ありがたさ。
お話を伺いながら「ありがとうございます」と「これからがんばります」でいっぱい。
今回はお会いできなくて残念だったけど、GGアミーゴの佐藤さんやマリさんも、北海道を旅しながら、心の中にいてくれました。
これから、私が出来ることは、
私もまた、今回サポートしてくれた先輩たちのように、
後輩や次世代につなげていくこと、
他地域から来られた方に、地元の楽しさを伝えられる人になること。
まだまだ足りないところだらけ。
だけど、がんばろうと思っています。
私が住む浜松の、静岡県の、日本の、
良いところ、美しいもの、楽しいことを、たくさん感じていきたいと思っています。
そして、「今あるものから、新しいものを発見する」ために、
また旅へ出たい、北海道へ再訪したい、そう思っています。



私にとって、自然の中で過ごす時間はとても楽しいものです。
自然は、わだかまりや先入観を持たず虚心になれる、
そういう安定した力を持っていてくれるものような気がしていますが、
他のものでも、何でもいいんですよね。
海でも、自転車でも、サッカーでも、
歴史を学ぶでも、建築物探訪でも…
マツヤマデザインスタッフが、
それぞれ自分の心が向かうことについて、
さまざまな体験を重ねて、気付きを得られた分だけ、
私たちは、もっといい仕事ができるチームになると思っています。


また、今回の研修には、「素敵な先輩方の足跡を追おう」というテーマがありました。
残間さんや国分さんや中山御老公が歩いた道を、
私たちも辿ろうというテーマです。
2015年の今、北海道を旅すること。
「今は、今だけだよ。来年には、もう変わっているから」
旅の前に、気持ちが引き締まる言葉を、
マツヤマさんからもらって。
現地に立ち、思い浮かぶ方たち。
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学生時代の中山御老公、どんな気持ちでここにいたんだろう。
御老公が見た景色と、
どんなところが変わって、どんなところが変わってないんだろう。
残間さんは、佐藤さんは、原さんは、
どんなふうにこの川と遊んでいるのかな。
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そんなことをぼんやり感じながら見る景色は、やっぱり何か違う。
しあわせだなと思います。
10年後、50年後、100年後、
同じように旅をする人たちの前に、
私たちは、どんな景色を残していけるでしょうか。
そして、今回もまた、心に残るうれしい言葉…
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佐藤さんより/旅の基本。信頼できるロコが居るなら委ねよ!
小松さんより/友達を頼りにして大いに人生を楽しんでください。
残間さんより/釣りの技を磨くより、初心な魚を探して旅するのも一興。目指せ、未知なるフィールドを!
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もっと自由に、もっと学んで、もっと楽しむんだよ!と後押ししてもらっているよう。
ありがとうございます!






北海道の豊かな自然。
2013年にはただただ圧倒されていたのですが、
今回旅をして、その豊かに感じる自然もまた、
既にバランスが崩れ始めているという危うさを感じました。
もともと知床半島に鹿はいなかったこと
駆除する人の高齢化
多くの住民は利便性を求めていること
野生らしさを失ってしまった狐が増えていること
(たった一度でも餌を与えてしまうだけでもアウト)
気圧の影響で水嵩が増したり、大雪、地崩れなどの昨今の災害
知床半島では、「保護と利用のバランス」を保つために、
ルール作りが今後の課題だそう。
これらは、知床半島で私たちを迎えてくださった、
羅臼町長の湊屋さんから教えていただいたことです。
バランスを保つための知識や経験、
それを身に付けたいと思う心、
それを伝えていこうとする意識と手段が、必要なのだと思います。
「守るのではなく、愛すること」
楽しい、心地いいと感じた時間の分だけ、
その対象は自分と無関係ではなくなり、
自分にとって愛すべきものとなる、ということがあります。
今回もまた、川や山で、たくさん楽しく遊ばせてもらいました。
私は北海道の自然が大好きです。
野性らしい、かっこいい狐の存在を感じたいです。
美しい景色や豊かな食を、日本の誇りだと思っています。

小松さんに教えてもらった、稚内の「青い鳥」の塩ラーメン!
こんなに透明なスープなのに、深い味わい。
また食べたい・・・

湊屋さんおすすめの居酒屋さんで頂いたイバラガ二。
大きくて身がたっぷりなのに味が濃い!

ほっけ定食。
ほっけの大きさにびっくり。

1万本に1本しかあがらない、という希少すぎる鮭「鮭児」。
世の中には廻らない、網元だからこそ手に入る一本、
希少すぎて普通は刺身で頂くというところを、
湊屋さんのおすすめの頂き方、「塩焼き」で。
言葉にならないほどのおいしさ・・・
一生忘れません!

絶対食べたかった、いくら丼!

羅臼で頂いた、海鮮カレー。
魚介類が盛りだくさん!

焼き牡蠣。
ひとつずつにレモン!
海の豊かな恵みを、めいっぱい堪能させてもらいました。
本当に、この食は、日本の誇りです。
北海道、うらやましいな・・・
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美しい景色にも、たくさん出会いました。

緑の景色の中を、まっすぐにのびる道。
北海道らしい景色。

流氷が生み出した、不思議な世界。

知床半島、オシンコシンの滝。
ほぼ直滑降の崖に、勢いよく大量に水が落ちてくる。

冬には白い世界になるというオホーツク海。

小さな植物たちの根っこがびっしり。
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魚たちと向き合う時間。




ここにいるかな?こんな感じで食べるかな?を想像して、
来た!!というときの、喜び。
いえ、魚に全く相手にしてもらえない川でさえ、
そこに立ち、魚を感じていられるだけで、とても楽しい。
フライフィッシングをしていなければ出会えない景色に、
今回もまた、たくさん出会うことができました。
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そして、2015年の今、このメンバーで旅が出来たこと。
松山さん
マサさん
高野さん
タンタン
そして、ゼキさん。
旅をしながら語り合う、
面白い話、
まじめな話、
勉強になる話、
どうでもいい話…笑
たくさん笑った1週間でした。








これまで、多くの気付きを与えてもらって、
自分の暮らしを見つめ直す作業を続けています。
和食を多めにすること、
少し高くても、できるだけ地元の、安全な食べ物を求めること、
家庭菜園を続けること、
家でエアコンを極力使わないこと、
コンビニや外食は必要最低限に、
薪をできるだけ自力で集めること…
そうした方がいいのだと気付いても、
変えるように努力しないとなかなか変えられません。
今、暮らしの中で、日々向き合っている課題です。
やるべきだと気付いているのに
出来ていないこともたくさんあります。
自然との共存をふまえた、
適当なバランスでの美しく健康的な暮らしは、
これからのスタンダードになる、と
浜野さんの本を読んで教えてもらいました。
物や状況は、際限なく変化し続けていく。
当たり前は、すぐに当たり前ではなくなる…
模索し続けること、
変えるべきことに気付いたら、変わる努力をすること、
これからもそんな意識を持ち続けていきたいと思います。

付け方が逆、というリール!
佐藤さん、素人すぎてすみません…

知床半島で、お借りしたコテージから見える間欠泉!

土の断面の根っこが気になっているところ。
カメラを持つと、普段見過ごしそうなところに目を向けられる、という気がした瞬間。
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デザイナーは伝えたいことを形にする仕事です。
物事を正しく捉えて、
見た人にプラスの気持ちを持ってもらえるように
世の中が少しでも楽しく、元気になるように、
良い方向に向かうように…
そのためには、
自分自身が、真実を学び、
楽しさや心地よさを体感することが必要、と
たくさんの方から教えてもらいました。
人から分けてもらえない「体験」を
自分の確かな感覚で知り直すために、
新たな気付きを自分の中に生み出すために、
人は旅に出るのかもしれません。
自分が真に感じたこと、気付きは
必ず自分のライフスタイルを変えるはずです。
その繰り返し…それはずっと続けていくべき、
人として・デザイナーとしての暮らし方だと思っています。
禅的な考えでいえば、自分の感覚は最後の砦ではないそうです。
なぜなら、自分の感覚器は既に「私」に染まっているから。
(おいしい・美しい・楽しいは、好き嫌いや価値観によって変わる)
物事をなるべく、正しくそのまま、捉えられるように。
五感を通じて、自分の中に入ってきたものを
なるべく純化された状態で感じることができるようになるには、
無意識(私が無くなる状態)でその物事と向き合うのが必要だそう。
現実的には、反復練習しかないそうですが。
そういった心の修行をして、その感覚を身につけたいというのが、
新しく私の中に生まれた、長い時間がかかりそうな、
遠い目標のようなものです。

たった一週間、
されどたくさんの気付きを与えてもらった1週間。
すべて消化するには、やはりまだ時間がかかると思いますが、
北海道へ行く前と今の私では、確実に何かが変わり、
未来の私を構成する要素になっていくのだと思います。

2015年、この北海道の旅を実現させてくれた全ての方、
一緒に旅をしてくれた皆に感謝しています。
楽しかったです!!!
ありがとうございました。
Posted by マツヤマ at 12:47│Comments(0)
│2015.06 北海道研修ツアー
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