墓地 お墓の写真を撮影したこと、お供えと想い。
今日、朝からお墓に行った
数箇所のお墓を廻り、写真を撮った。
墓石、故人の眠る「おはか」だ。
石屋さんのホームページを作ることになった。
作る際に、僕が頼んだ。
「見本で飾られているピカピカのお墓やパンフレットだけでなく、実際のお墓を見せて下さい、撮影させてください」と
石屋さんは、快く段取りをしてくれて、墓所へ案内してくれた
たくさんの墓石を見た
綺麗なお墓
苔むしたお墓。
最後に訪れた墓所は、
山の上にあった。
一人の老婦人が、お墓を手入れしていた。
他のエリアを撮影し終わって、眺めの良い老婦人のいらっしゃるエリアに向かう際、彼女と僕はすれ違った
急な石段を、ゆっくり降りてきた。上品で小柄な女性だった。
どうやら膝や足が少し弱いらしく、ゆっくり降りてくる
僕が石段の下で待っていることを丁寧に詫びてくれた
「いえいえ、ご苦労様です」。僕は出来る限り丁寧に頭を下げた。
高い場所で、風景などを撮影し終えた後、
ひときわ鮮やかな花が備えてあるお墓があった。
先ほどの老婦人が手入れしていたお墓だ。
まだ御線香が煙を上げているそのお墓には
りんご
おむすび
シュークリーム
ビールの缶
がお供えされていた。
故人が好きだったんだろうな…お結びの銘柄まで、きっと故人の好みかもしれない…と思い、覗き込んだ時、
そのビールの缶のプルタブが開けられているのに気がついた…
冷たく冷やされたビールの缶には、うっすらと水滴が付いている
中にはまだ炭酸の小さな泡があがっていた…。
さっきの老婦人が、故人の為に、美しい花と御供え物と、冷やしたビールを用意し、
あの足でこの高台まで運び
墓前でビールの蓋を開けたのだ。
少し涙が出た。
きっと、いい男だったんだろうな…。
素敵な夫婦だったんだろう…。
僕は、お墓に眠る故人と、去って行った老婦人に尊敬と憧れの気持ちを持った。
顔もしらない、そのお墓に眠る故人に、
そっと手をあわせ、美味しい酒を飲んでいる最中に邪魔した無粋さを詫びた。
手をあわせたまま目をあげると
美しい花が、風に揺れていた。
伝えるべきは人の想い
現地に行かなければ、分からないことだ。
僕は、僕に出来る仕事を今しようと思う。
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